名古屋高等裁判所 昭和25年(う)583号 判決 1950年6月28日
被告人
西谷トミ子
主文
本件控訴を棄却する。
理由
弁護人沢登定雄控訴の趣意第一点について。
(前略)
原判決は右犯罪事実については右被告人の自白と被害者村瀨淸子の被害届とによつて認定しているのであることは前敍の通りであるから被告人の自白を唯一の証拠としたものではない。右被害届のみでは、もとより被告人がその犯人であることまではわからないことは所論の通りであるが、これにより右被告人の自白が眞実であることを信ずるに足り、その補強証拠たるに役立つのである。故に所論はすべて採ることを得ないので、論旨は理由がない。